紙資料の整理方法

本記事では、紙資料の効率的な整理方法をご案内します。

紙資料は、綺麗に整理しようとするととても時間がかかります

当事務所では「シンプルで時間がかからない整理方法」を考案しておりますので、ご説明いたします。

目次

全体的な流れ

当事務所より、予めA4サイズのクリアホルダーを10枚ほどお渡しします。

お渡ししたクリアホルダーには「現金払い経費」「クレカ払い経費」といったラベルが貼られています。

クリアホルダーの例

これらのクリアホルダーに、次のルールに従って紙資料を放り込んでいくだけでOKです

提出ルール事業に関係のある資料だけ入れる
ホチキス留めはしない(クリップ留め可)
順番は気にしない
資料にメモ書きする
重複する資料は除く

それぞれのルールを、具体的にご説明します。

整理ルール

事業に関係のある資料だけ入れる

当然なのですが、売上や経費といった事業に関係のあるものが申告の対象ですので、プライベートの領収書などは除きます

普段から事業用とプライベート用の支払いは分けて行うようにしましょう!1枚のレシートに両方が混在するのはNGです。

ホチキス留めはしない(クリップ留め可)

紙資料の整理を非効率にしている理由のひとつが、ホチキス留めだと思います。

ホチキス留めは「複数の資料を綴じる」だけしかメリットがなく、デメリットは数え切れないほどあります

大きさが異なる書類だと綺麗に揃わない、必要な書類が探しづらい、並べ替えられない、などなどデメリットだらけです。

ですので、ホチキス留めはせず、そのまま放り込んで大丈夫です

ただし、複数セットの書類で、放り込むとバラバラになってしまう危険性がある資料だけは目印としてクリップ留めをするようにしましょう。

順番は気にしない

資料を綺麗に整理しようとすると、どうしても日付順に並べようとしてしまいます。

しかし、特にレシート類は大量にあるうえに日付が書いてある箇所が分かりづらく、とても時間がかかります

資料を整理するとき1番時間がかかるのが、日付順に揃える作業だと思います。

そこで、順番は気にせず放り込むことで、順番を揃える手間を省いてしまいます

税務上も資料を日付順に並べて保存する義務はありませんので、ご安心ください。

資料にメモ書きする

領収書や請求書は、第三者が見ると何の取引か分からないのが通常です

例えばレシートに「ビックカメラ 品代」とだけ書かれていたら、何を買ったのか判別が困難です。

そのため、レシートにはメモ書きするようにしましょう。

「ビックカメラ 品代」の空いたスペースに「インク代」と書いてあれば、誰が見ても消耗品費と分かります。

メモ書きは必ず表面にご記載ください。裏面に記載すると見落としてしまう危険性が高いです。。。

なお、銀行明細・クレカ明細に内容を記載した取引は、レシートにはメモ書きしなくても大丈夫です

とはいえ、レシートに必ずメモ書きするクセを付けておくと便利です。
日が経つと、レシートを見ても何を買ったかよく分からないことも多いので。。

注意が必要なのは、接待交際費だけは取引先名・参加者を必ず明記しておきましょう

具体的には、○○会社・△△部長」のようにレシートに直接メモ書きすればOKです。

重複する資料は除く

例えばクレジットカードで買い物をすると、レシートクレカ売上票の2つをもらいます

このとき、レシートとクレカ売上票の2つともクリアホルダーに入れてしまうと、二重に計上してしまいます

税務上、必要なのはレシートだけですので、クレカ売上票などの重複する資料は除くようにしましょう

クレカ売上票はトラブルに備えて保管しておくもので、私はトラブルになったことがないので捨ててしまいます。捨てるのが不安な場合は「保管用」と書いた封筒などに放り込んでおくのもおすすめです。

なお、レシートを紛失してクレカ売上票しかないときは、クレカ売上票を保存しておいても大丈夫です。

二重計上をしないことが目的ですので、状況にあわせて柔軟にご対応ください。

ラベル

資料を入れるクリアホルダーには、それぞれ「現金払い経費」「クレカ払い経費」といったラベルを貼ります。

ラベルの例

このラベルに従って分類すれば、帳簿はかなり正確に出来上がります

ラベルは支払方法ごとに分類しています!
帳簿は支払方法ごとに記帳するので、資料も支払方法ごとに分類するのがコツというわけです。

主なラベルの意味を表にしましたので、ご参考ください。

ラベル内容
共通
銀行明細紙の銀行明細に手書きで説明を記載する場合に使用します。
Excelや会計ソフトを使う場合は不要です。
クレカ明細紙のクレカ明細に手書きで説明を記載する場合に使用します。
Excelや会計ソフトを使う場合は不要です。
デビット明細デビットカードを使用している場合、クレカ明細と同様に使用します。
Excelや会計ソフトを使う場合は不要です。
 収入関係
売上資料
(○○銀行
に入金)
銀行に入金された売上や雑収入に関する資料を、銀行別に入れます。
(例) 先方に渡した請求書の控え、賃貸収入報告書、クレカ売上報告書など
必ず銀行ごとにクリアホルダーを分けます。
売上資料
(現金受取)
現金で受け取った売上に関する資料を入れます。
(例) 先方に渡した領収書の控え
税務調査で重点的に見られるため、漏れがないようにご注意ください。
支出関係
銀行払い
経費
(○○銀行)
銀行振込や口座振替で支払った経費に関する資料を、銀行別に入れます。
(例) 請求書・領収書
必ず銀行ごとにクリアホルダーを分けます。
クレカ払い
経費
(○○カード)
クレカで支払った経費に関する資料を、カード別に入れます。
(例) 請求書・領収書
必ずカードごとにクリアホルダーを分けます。
デビット払い
経費
(○○カード)
デビットカードで支払った経費に関する資料を、カード別に入れます。
(例) 請求書・領収書
必ずカードごとにクリアホルダーを分けます。
Amazon
経費
Amazonでの購入量が少ない場合は、Amazonから印刷した請求書を入れます。
Amazonでの購入量が多い場合は、Amazonから購入履歴データをダウンロードできますので、事業用の購入分をピックアップして保存すれば大丈夫です。
ダウンロード方法は公開コラムで解説しております。
現金払い
電子マネー払い
経費
現金や電子マネーで支払った経費に関する資料を入れます。
(例) 領収書
電子マネーは現金扱いなので、経費になるのはチャージ額ではなく実際に使用した額です。
医療費
領収書
病院・薬局で支払った医療費の領収書
本人分・配偶者分・お子様分それぞれ分けて格納します。
一定額を超えると医療費控除ができます。毎年1月に送られてくる医療費通知にも1年分の支払いが載っていますが、信頼性が低いので必ず領収書を保存します。
その他
その他
資料
所得控除に関する資料など
(例) 給与所得の源泉徴収票、生命保険料控除証明書、寄附金受領証明書その他多数
必要か分からない資料も格納します。
お金に関係する資料であれば通常は必要となりますので、迷ったら保管するようにします。

紙資料の整理手順

これまでご説明した内容を踏まえて、紙資料の整理手順をまとめます。

STEP
紙資料をとりあえず貯める

紙資料の整理は毎日行うと時間を取られますので、普段は決めた場所に貯めておくと良いです。私の場合、以下のようにラベルのないクリアホルダーに放り込んでいます。

レシートにメモ書きしてから放り込むのがおすすめです。確定申告の時期に整理すると内容が思い出せないので。。

STEP
クリアホルダーのラベルに沿って区分けする

紙資料が少なければ1年分貯めてから区分けしても大丈夫です
私の場合、以下のようにクリアホルダーに載せながら区分けしていきます。

慣れてくるとほとんど時間を取られません!

STEP
資料にメモ書きをする。

資料の表面にメモ書きを行います。

STEP1の時点で全ての領収書・請求書にメモ書きしておくのがおすすめです。後から見たとき思い出しやすく、管理しやすいです。

銀行明細・クレカ明細で説明書きしたものはレシートにメモ書きしなくても大丈夫ですが、可能ならメモ書きしておくと思いだしやすいです。

STEP
当事務所に提出する。

レターパック(青)でご郵送ください。

あると便利な道具

書類箱

クリアホルダーは好きな場所に保管しておけばよいのですが、書類箱に格納しておくと便利です。

どのような書類箱が良いかですが、私は次の2点を重視しています。

書類箱のポイント
  • すぐに抜き差しできること
  • スペースを取らないこと

この条件に合う書類箱を色々と探したのですが、最終的にはDAISOで売られている以下のダストボックスが最も使いやすかったため、今でも定期的に購入しています。

私がこの商品を気に入ってる理由は、サイズがぴったりということもありますが、使わないときに以下のように重ねて置くことができるためです

確定申告シーズンは事務所に箱を広げていますが、申告が終わって資料を返却したら元通り重ねています。

クリアホルダー

クリアホルダーは、レシート類など大きさの異なる書類でも同じ大きさで管理できるのが大きなメリットです

多めに購入しておくと色んな区分で整理できるのでとても便利です。

クリアホルダーはA4サイズで中身が見える透明タイプを選びましょう。中の資料が見えることが大事なので、絵柄の付いたクリアホルダーは避けましょう。。

私は、書類箱と組み合わせて以下のように保管しています

まとめ

今回は、紙資料の整理方法をご紹介いたしました。

次の記事では、電子取引の整理方法についてご紹介します。


資料整理マニュアル

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